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東京大学・マインツ大学:世界初の光学GKP論理量子ビット

日付: 2024-01-18 | LQ: 1

量子システム: GKP Propagating Light

組織: University of Tokyo (Furusawa Group), Johannes Gutenberg University Mainz (van Loock Group), Palacký University Olomouc, National Institute of Information and Communications Technology (NICT), RIKEN

通信波長の単一伝搬光パルスから、GKP(Gottesman-Kitaev-Preskill)論理量子ビット1個を室温で世界初生成。光量子コンピューティングの歴史的マイルストーンですが、誤り率は耐障害性閾値を超えており、閾値未満LQとして分類されます。

2024年1月、古澤明(東京大学)とペーター・ファン・ルック(ヨハネス・グーテンベルク大学マインツ)が率いる共同研究チームが、パラツキー大学オロモウツ、情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所(RIKEN)の研究者とともに、伝搬光において世界初のGKP論理量子ビットを実証しました。この成果はKonno他著「Logical states for fault-tolerant quantum computation with propagating light」としてScience(Vol. 383, Issue 6680, pp. 289–293, 2024-01-18)に掲載されました。

この研究以前、GKP符号化は超電導回路(ETHチューリッヒ、2019年)と捕捉イオン(NIST、2019年)でのみ実現されており、光学系は状態準備に必要な強い光学非線形性の欠如から数十年間にわたり実現不可能とされていました。

研究チームはシュレーディンガーの猫状態を準備し、線形光学素子のみでGKP状態に整形した後、NICTと共同開発した超電導ナノワイヤー単一光子検出器(SNSPD、量子効率~75%、タイミングジッター70 ps)で射影測定を行いました。システムは通信波長の光を使用し、冷却なしで完全に室温で動作します。

実験では単一の光パルスから1つの論理量子ビットを符号化します。ただし、著者らは誤り率が「量子誤り耐性計算には不十分」と明記しており、論理的構造は正しいものの、誤り率は耐障害性閾値を超えているため閾値未満論理量子ビットに分類されます。

項目
LQ数1(閾値未満)
物理量子ビット1(単一光パルス)
符号化方式GKP / 連続変数
波長通信波長
動作温度室温
掲載誌Science 383, 289 (2024)

出典

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